【イベントレポート】「働き続けるためのキャリア棚卸しセミナー」

2018年5月19日、20日に東京ミッドタウンで『WOMAN EXPO2018』が開催されました。パソナキャリアでは本イベント内で、パソナ執行役員およびパソナキャリアカンパニー 人材紹介事業部門 女性活躍推進コンサルティングチームの岩下純子による『働き続けるためのキャリア棚卸しセミナー』を実施。今後も成長し続ける女性の方々に対して、オリジナルシートを使ったキャリアの棚卸しの実践や、そこから見える自分の『強み』を把握することの重要性などが語られました。当日の模様をご紹介します。

働き続けるためには、「過去の経験」を可視化することが大切

セミナーのはじめに、まず岩下から「私も日々悩むことはたくさんありますが、そんな時に振り返るのは『過去の経験』です」と話がありました。

「キャリアの棚卸しは、自分の過去の経験を可視化する作業。新しい可能性を発見したり、悩みを解決したりと、自分の成長を実感することができるものです。そして、これからやるべき事や、今後の目標を明確にすることにもつながります」

また、「キャリアの棚卸しをすることで『自分の強み』がどこにあるのかを知ることも、今後働き続けるためには大切なことです」と岩下は言います。

「ずっと同じスキルのまま、仕事を続けていくことは難しいものです。常に自分の強みを3つくらい把握して、その能力を伸ばしたり新しい能力への足がかりにしたりして成長を続けていくこと。これが長く働き続ける上でとても重要になります。」

しかし、忙しい毎日を過ごす女性にとって、キャリアを改めて考える時間を割くことは難しく、また、具体的にどうすればいいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。そこで、岩下が提案したのは、『転職などで使用する職務経歴書を使ったキャリアの棚卸し方法』です。

「職務経歴書は自分の経験をアウトプットするツールとして大変便利なものです。職歴や資格、職務の詳細、自己PRなどの欄を利用して、キャリアの棚卸しをしてみましょう。特に、『職務詳細』と『自己PR』は経験を振り返る時に重要なポイントとなります。コツは『5W』を意識したまとめ方をすることです」

5Wとは、When(いつ)・Where(どこで)・Who(誰と)・What(何を)・Why(なぜ)の5つ。岩下いわく、「振り返りの大切な5大要素である」そうです。

「『When』は仕事のプロジェクトなどを行った時期を表すもので、シンプルですが実は一番忘れやすい事項でもあります。『Where』は前職や現職の会社の規模・事業内容などの項目、『Who』は仕事で関わってきた人の性別や年齡、属性などを表す項目、『What』は何の仕事をどのように進めたのかを表すもので、一番大切な項目です。仕事の進捗を週や月で区切ったり、数字で表記できるものがあれば、書き出しておいたりしておきましょう。『Why』は仕事を行う目的や目標など、何のためにこなすのかを表す項目です。この『5W』を意識しながら、まずは職務の詳細をまとめてみてください」

また、「可能であれば5Wにプラスして自分の強みを発揮できた部分や身についたスキルなども加えておくとよいでしょう」。こうした客観的な事実をひとつひとつ認識することで、「自分の強み」がどこにあるのかを発見することができます。

同じスキルで働き続けることは難しい――「自分の強み」を知るためには

「自分の強み」をすでに自覚している女性でも、改めてキャリアの棚卸しから「自分の強み」を紐解いていくことは重要な作業です。

「職務の詳細から、今まで自分がどんな仕事をしてきたのか、どんな経験を得てきたのかを知ることができます。そこで発揮された能力は間違いなく『自分の強み』といえるでしょう。そこには、無自覚のうちに獲得した能力も含まれている可能性があります。それが、『5W』に裏打ちされたものであれば、他者への説得力が増し、自分の自信にもつながります」

女性は仕事の実績を過小評価する傾向があるため、自覚していなかった「自分の強み」を見つけることもありそうです。一方で、「『自分の強み』とは、あくまで仕事をしている中で発揮されること。仕事とプライベートで発揮される強みはまったく違います」と岩下は言います。

「仕事とプライベートでは発揮される強みもスキルも違います。例えば、プライベートでは保守的でも、仕事では新しいことへ意欲的な方もいるでしょう。こうした違いを過去のデータから客観的に判断することで、自分の新たな強みが見つかることがあります。また、自分が弱みだと感じていたことも、いつの間にか経験を積んで克服している場合もあります。客観的な事実から自分の成長を自覚するためにも、キャリアの棚卸しは定期的に行うとよいでしょう。」
目安としては、転職や昇格、異動などの節目ごとに行うのがおすすめだそうです。

最後に、岩下から女性のキャリアについて話がありました。
「女性はライフイベントが多く、そのためひとつひとつのキャリアが分断されているように感じますが、すべてに一貫性はあるもの。男性は積み上げ式でキャリアを重ねていくことが多いですが、女性はいろいろな経験をしながら、まるでジャングルジムを上るようにキャリアを重ねていくことが多いのです。男性と比べて、『なかなか思うようにキャリアを積むことができない』と焦る方もいることでしょう。しかし、キャリアは確実に積まれています。これを自覚するためにも、ぜひキャリアの棚卸しを行ってみてください」

そして、講演後には参加者から岩下へ、さまざまな質問が寄せられました。
「具体的な実績がなく、職務の詳細もうまくまとめることができない。『自分の強み』を導きだせない時にはどうすればいいか」という参加者に対しては、「小さなエピソードを書き出して、それらをまとめてみましょう。ひとつひとつの行ってきた経験が数をこなせば大きな説得力を持ちます。もしくは、『私の強みって何だと思う?』と周囲に聞いてみてください。自分が意識していなかった強みを教えてくれるかもしれません」とアドバイス。さらに、「『自分の弱み』についてはどう扱えばいいか」という質問には、「克服するきっかけになればいいけれど、日々の改善行動として意識する程度が良いと思います。それよりも、強みに目を向けてさらに伸ばしていくようにしましょう」とのことでした。

働き続けていると時間はあっという間に過ぎています。しかし、その中で自分のスキルやキャリアは着実に積み上がっているもの。なんとなく仕事をこなすのではなく、自分が置かれている状況や、成長した部分をしっかり自覚して働き続けることができれば、回り道をしているように見えても焦ることなく、自信を持って働くことができるようになるのではないでしょうか。
この機会に、ぜひみなさんも『キャリアの棚卸し』を行ってみてください。

今回のセミナーにご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。