【イベントレポート】「働く女性を応援!ファッションから考えるセルフブランディング」

2018年5月22日(火)に、株式会社パソナ パソナキャリアカンパニーと株式会社エアークローゼットの共同主催によるセミナー『働く女性を応援!ファッションから考えるセルフブランディング』を開催しました。仕事における「第一印象」は、今後のキャリアを左右すると言っても過言ではない重要なポイントです。そして、第一印象に大きく影響を与えるもののひとつが服装。ファッションは楽しいものですが、ビジネスシーンとなると悩む女性も多いのではないでしょうか。
そこで、本セミナーでは、株式会社エアークローゼット CSTO(チーフスタイリングオフィサー)の菅原麻里さんをお招きして、ファッションから考えるビジネスシーンでの「印象戦略」についてお話しいただきました。当日の様子をご紹介します。

転職時の面接。相手がもっとも重視している部分は?

はじめに、株式会社パソナ パソナキャリアカンパニーの石川から、『女性を取り巻く現在の労働環境』について話をいたしました。

「1997年に専業主婦と兼業主婦の世帯比率が逆転し、現在も兼業主婦の世帯がどんどん増え続けている」と石川は語ります。

「共働きが決して珍しくなく、むしろ主流となってきている昨今、女性の意識にも大きな変化が表れています。『子どもができてもずっと働き続けていたいか』という意識調査では、「はい」と答える女性が1992年は26.3%だったことに対して、2016年は55.3%まで増えています。今後も、育児をしながらキャリアも成長させたいと考える女性は増え続けていくのではないでしょうか」

ずっと働き続けたいと考える女性の中には、キャリアアップのために転職をする女性も多くいます。転職活動には面接の機会がありますが、「面接官は第一印象をとても重要視している」と石川は言います。

「『メラビアンの法則』というものがあります。これは、話し手が聞き手に対してどのような影響を及ぼすかを検証した実験ですが、『視覚情報』と『聴覚情報』の非言語情報が与える影響は、全体の約9割も占めているという結果が出ています。このことから、短時間で判断される面接では、服装や身だしなみ、話し方がいかに重要なのかがうかがえます」

キャリアを磨くためには資格取得などのビジネススキルも大切ですが、わずかな時間で自分を判断される面接では、「自分をどう見せたいか」をコントロールできるファッション知識も備えておいたほうが良さそうです。

ビジネスシーンで有効な「ファッションによる印象戦略」の3つのポイント

次に、株式会社エアークローゼット 菅原さんによる『ファッションで作る印象戦略』のお話が始まりました。菅原さんは、広告や芸能人などのスタイリストとして活躍した経験があり、「伝えたいイメージはファッションで作ることができる」と言います。

「皆さんの頭の中には、ファッションで相手のイメージを判断する意識がすでに備わっているんです。例えば、白衣を着ている人物がいたら『お医者さんかな?』と想像しますし、逆に『マナー講師』と聞けば、ビシッとスーツを着こなしている人物を想像することでしょう。こうした『洋服によるイメージ』は、成長する過程で自然と蓄積されていくものです。万人が持っている『洋服によるイメージ』を逆手に取って、『相手に見せたい、自分がなりたいイメージ』に近いファッションを身に着ければ、印象をコントロールすることができるというわけです」

こうした「ファッションによる印象戦略」で重要なポイントは、「マナー・ルール」「似合う(フィットしている)」「なりたいイメージ」の3つ。菅原さんは以下のように語ります。

「『マナー・ルール』で大切なことは、きちんとしていて清潔感があるかどうかです。衣服にシワがついていないか、靴は磨かれているか、ストッキングは伝線していなかなど、普段からしっかり気を付けておきましょう。また、ヘアスタイルやメイクがビジネスシーンにふさわしいものかどうか、境界線を引くのが難しい時もありますよね。そんな時には、女性アナウンサーを見てみましょう。彼女たちのファッションは、マナー性の高いものを重視しているのでとても参考になります」

「似合う(フィットしている)」については、言葉通り、「自分に似合っているかどうか」という意味だそうです。「自分に似合う服」と聞くと、難しく考えてしまいがちですが、菅原さんは「自分に似合う服は、自身が思っている以上にたくさんある」と言います。

「みんなが同じ制服を着ていた学生の頃、『あの子、制服がまったく似合っていない!』という友だちは周りにいたでしょうか。ファッション性の高い尖った服なら着る人を選ぶ場合もありますが、たいていの服なら誰でも着こなすことができるんです」

「『なんだか太って見える』『着心地はいいけれどしっくりこない』と感じれば、その服を着ることはありません。これが、『自分に似合うものを選んでいる』ということ」なのだと、菅原さんは言います。そして、3つ目の「なりたいイメージ」は、ファッションの印象戦略において一番の要になるのだそうです。

「なりたいイメージ」は4つのカテゴリで考える

「皆さんが『なりたいイメージ』は華やかだったり、知的だったりとさまざまあると思います。しかし、イメージをすべて入れ込むとちぐはぐなファッションになってしまうので、まずは『なりたいイメージの4つの基本要素』からひとつを選ぶようにしましょう」

菅原さんの言う『4つの基本要素』は、「華がある」「洗練されている」「優しい」「信頼できる」に分けられます。

「この4つのうち、どれが『なりたいイメージ』なのかを考え、その要素を満たす服を着ます。『華やか』なら、ビビットなどの彩度の高い色、素材は光沢や透け感のあるもの、大きめの花柄やレース、パフスリーブなどのアイテムが有効です。『優しい』は柔らかいイメージが大切なので、ペールトーンなど暖色系のカラー、柔らかい質感の素材、レースや小花柄。『洗練されている』はスッキリとしたモノトーン、グレーなどの寒色系カラー、ハリのある素材に直線的なライン、無地のものを選ぶとよいでしょう。『信頼できる』は重厚感がポイントなので、ダークカラーやネイビーカラー、地厚のシャツ素材、襟のついたもの、柄はストライプやグレンチェックなどがおすすめです」

どうしても1つの印象に絞れない時には、「自分にないものを服で補完すること」と菅原さんはアドバイスします。

「全ての要素を入れ込むことはできませんが、2つまでなら可能です。例えば、「洗練されていて、かつ優しく見られたい」という時には、自分のベースがどちらに近いかを考えて、足りない方を服で補完するといいですよ」

また、「自分のベースがどの要素に当てはまるか分からない」という人は、友人や家族など自分をよく知る親しい人に聞いてみると第3者の客観的な意見が知れるため良いそうです。

自分のファッションはどれ?スタイリストと行う「ファッション診断」

ファッションにおける印象戦略の基本を覚えたら、次は「ファッション診断」です。当日配られたシートには、「フェミニン」「トレンド」「ベーシック」「クール」の4つのコーディネート例が描かれており、参加者はそこから自分のファッションに近いものを選びます。その後は、それぞれのカテゴリごとに担当のスタイリストが同席して、ファッションについてのアドバイスやコツを伝授しました。
それぞれのコーディネートのポイントやアクセントになるアイテムなど、普段は聞けないスタイリストならではのアドバイスに、参加者たちもさまざまな悩みを相談していました。

「タンスの肥やしになっている服がたくさんある。買い物の際にこれを防ぐ方法はありますか」という質問には、「『柄ものを買ったはいいけれど、手持ちの服と合わせづらくてなかなか着る機会がない』という声をよく聞きます。タンスの肥やしにしないためには、買うときに手持ちの服を3つ思い浮かべて、それに合わせられるかどうかで判断してみてください」という回答があげられました。
他にも、「自分に似合う色、形、素材を把握しておき、欲しいと思った服がそのうちの2つと合えば買うというルールを作っておくと失敗しにくいです」というアドバイスも。
また、菅原さんからは、「数年前に買ったお気に入りの大切な服」ほど「タンスの肥やしになりやすく、厄介な服になる」というお話もありました。

「気に入っている服を何年も大切に着続けようとする人は多いと思います。しかし、ファッションはシーズンごとでトレンドが変わりますし、自分の『気分』も変わるもの。『せっかく大切に着ていたのに、なんだか着づらくなってしまった』という経験をしたことは、誰しもあるのではないでしょうか。こうした服は捨てにくく、タンスの肥やしになる傾向が強いです。こうした服を増やさないためにも、気に入った服は出し惜しみせず、そのシーズンでどんどん着てしまいましょう。そのほうがテンションも上がりますし、楽しく過ごせる日が増えますよ」

最後に、「洋服はとにかくたくさん着ること。さまざまなジャンルに挑戦してみることが、服と仲良くなれる一番のコツです」という菅原さんのアドバイスで、本セミナーは締めくくられました。

今回の「ファッションによる印象戦略」はビジネスシーンがメインでしたが、基本要素を覚えておけば、プライベートでも活用することができそうです。
また、ファッションは、女性にとって気分を上げてくれる楽しいものですが、仕事が関わってくると少し難しいものになってしまいがち。「仕事で何を着ればいいのか分からない」と悩む女性にとって、本セミナーが大きなヒントを得るきっかけになれば幸いです。

ご登壇いただいた菅原様、スタイリストの皆様、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。