【イベントレポート】3月9日(水)に、パソナキャリア主催で「等身大の女性管理職とは?」を開催いたしました。

  • 2016.04.05

2016年から女性活躍推進法が施行されることもあり、女性社員の管理職登用に積極的な企業が増えています。しかし管理職についての具体的なイメージが浮かばず、不安を感じる声も多く寄せられています。

そこで今回は、ソニー株式会社で人事センター人事3部2課の統括課長をされている木本真由美様、株式会社三越伊勢丹新宿店で婦人営業部クローバーショップのセールスマネージャーをされている野島智子様のお二人をお迎えして、管理職にいたるまでの講演、ディスカッションを開催いたしました。当日の様子をご紹介します。

与えられた仕事を全力でこなすと見えてくる「やりたい仕事」と「適性」の違い。

まずは野島様のお話から。入社当時はマーケティングに興味があったそうです。

「1年目は下着売り場でのお買い場(現場)担当でした。『いらっしゃいませ』と頭を下げてもお客様に無視される毎日。私は何のためにここにいるのだろう...と疑問を持ち、早くも転職を考えていました」

モチベーションが下降するなか、2年目を迎える頃に婦人服売り場への異動がかかり、そこで1つめのターニングポイントが訪れたそうです。

「まずは三年間やってみようと。すると仕事への意識も変わり、『私は何がやりたいのか?』を強く考えるようになりました。そこから『とにかくなんでもやってみよう』という思いが芽生えました。そしてやりたい仕事がバイヤーだと気づいたのです」

その後アシスタントバイヤーとして2年間を過ごしますが、再びモチベーションは下がることに。

「できないことだらけで怒られてばかりでした。さらにリーマンショックの影響から売上も下降。その頃にアシスタントバイヤーからアシスタントマネージャーとして店頭への異動がかかり、私には適性がなかったのかな、とかなり落ち込みました」

しかしこの異動が2つめのターニングポイントになったそうです。

「笑顔になっている自分に気がつきました。思わぬところで適性を見つけられたのです。そこでセールスマネージャーへの昇格試験を受けて合格しました。初めての仕事は婦人服売り場のリモデルという大規模な企画。オープンしたときはとても感動しました」

模倣からオリジナリティを生む。自分なりの「管理職」スタイル。

3年目でいよいよ部下を持つことになりましたが、ここで苦戦を強いられたそう。そして3つめのターニングポイントを迎えたそうです。

「部下からは『何をやりたいのか分からない』と、前任者と比較されてしまいました。そこで『仕事ができる人の真似をしよう』思いました。この頃どうしても通したい企画が立ち上がり、試行錯誤しているうちに『自分には自分なりのやり方がある』と気づきました。この企画が転機となり、少しずつ部下からの信頼を得られるようになりました」

さまざまな部署を経験して思わぬところから適正に気づいた野島様。一方、木本様は現在までずっと人事部のお仕事に従事されているそうです。

辞めるか続けるか。決断は自分の直感を大切にする。

「採用部で、当時はまだ珍しいインターンシップの企画や武道館で大手4社による就活生のためのビジネスライブを実施するなど、とにかくやりたいことを伸び伸びとやらせてもらいました。しかし新しい環境が欲しくなり、VAIO人事部へ異動することに。それまでの採用部とは違った現場の人事の面白さに夢中になりました。」

ここまでずっと人事一筋で成果をあげられていた木本様ですが、実は海外マーケティングに興味があったそう。

「この頃海外マーケティングの職場に異動できるチャンスがあり、かなり具体的なところまで進んでいたのですが、組織変更によりまさかの頓挫。せっかくのチャンスが失われてしまいました。」

そこでもう一度海外マーケティングの仕事にチャレンジするか、人事としてのキャリアを積むかを考えたそうです。木本様はこのとき29歳。ここで1つめのターニングポイントが訪れたそうです。

「当時は転職するなら30歳前後がリミットだと、まことしやかにささやかれていました。悩んだ末、人事としてのキャリアを選ぶことに。そして業務用機器を取り扱う組織を担当するB2B人事部へ異動します。仕事の方向性を決めたことでモチベーションも復活しました。しかし仕事にやりがいを感じる一方で、どうしてもマンネリ感も感じてしまいます。ちょうどそのタイミングで現場を離れ、人材育成や組織開発の施策を企画・実行する組織へ異動することになったのです。」

ところが現場から離れてしまったことでなかなか仕事にやりがいを見いだせず、モチベーションは下降。そんなときに参加した研修が2つめのターニングポイントになったそう。

就くことで初めて見える「管理職」の景色。

「『グローバルウーマンリーダー育成塾』という女性ばかりを集めた研修に参加しました。それまではダイバーシティ=ジェンダーという考えに抵抗感がありましたが、大きく変わりました。その直後、統括課長として現場へ戻ることになりました」

それまで管理職のイメージはあまりよくなかったそうですが、それが払拭されたのが3つめのターニングポイントだったそうです。

「管理職は社内のしがらみにとらわれて、本来やりたい仕事ができなくなるのでは、という懸念があったのです。ところがいざやってみると見える景色が大きく変わりました。担当者として一個人でやるよりも、さらに大きい規模で仕事に打ち込むことができたのです。」

膨大な仕事のなかで的確な判断力を問われる管理職。仕事をスムーズにこなすコツとは。

それぞれ職種の違うお二人の講演でしたが、管理職にいたるまでの考え方には共通する部分がありました。この後は弊社の女性管理職である渡辺を交えたディスカッション形式で、管理職の仕事についてお伺いしました。

渡辺:管理職になる前となった後では具体的にどのような変化がありましたか?

野島様:「決めないといけない」ということが大きな違いです。これを常に頭において、日々の行動や発言、コミュニケーションをとるようになりました。

木本様:それまでは一人で動かしていた仕事が、チームを巻き込んだ大きなものに変化したことです。それと自分の弱みを必要以上にカバーすることはやめました。弱い部分はそこを強みとする人に任せ、自分は強みを全面的にだしていくようにしています。

渡辺:管理職になってよかったことを教えてください。

野島様:人間的に成長できたことです。それまで接点のなかった人たちとも関係を持つようになり、たくさんのチャンスを得る機会に恵まれました。そこでさまざまな価値観があること、それを受け入れられるようになりました。

木本様:自分のやりたいことが今まで以上の規模で実現できるようになったことです。もうひとつは今まで以上にチームのありがたさを実感できるようになったこと。実際にさまざまな場面でチームのメンバーに助けられています。

渡辺:管理職になってみて壁に当たったことはありますか?

野島様:前任者と比較してかなりプレッシャーを感じました。企画もなかなか通すことができずにいましたが、部下たちの『納得できません』という言葉に何が何でもこの企画は通してやる!と。そこで真似ではなく自分なりのやり方があると気づきました」

木本様:「私は今まさに模索している最中です。現在メンバーが減ってしまったのですが、日々の仕事量は変わらない。自分の仕事をしながらマネジメントこなすためにはどうすればいいのか悩んでいます。もうひとつはメンバーの習熟度。『私だったらこうするのに』とジレンマを感じる場面もあります。」

渡辺:管理職としてタスク管理で工夫されていることはありますか?

野島様:自分が抱えている仕事内容を部下と共有するようにしています。事前に伝えておくことで処理が早くなります。ときには指示を出す前に処理してくれていることも。自分の仕事はチーム全体の仕事でもあるので、どうやってうまく回していくかを考えています」

木本様:私も野島さんと同じで情報共有は大切にしています。さらに自分の考え方も伝えて"チームの価値観"を醸成するようにしていますね。あとはメールの処理などはすぐに対応する。メールを関係者に返すことで自分のタスクから離れてくれますから」

渡辺:こうしたタスク管理はすぐに使えそうです。今後挑戦したいことはありますか?

野島様:部下の特性を把握して適切な場所に配置することで、新しい価値を生み出せていけたらと思っています。百貨店ですから常にお客様へドキドキとワクワクを提案したいです」

木本様:私はそのときに現れた選択肢のなかでどちらがより楽しそうかを選び、選んだ道でできる精一杯のことを取り組んでいます。これからも示された選択肢を拒否せず、直感にしたがって道を決めて行きたいですね」

女性管理職お二人のお話はこれからキャリアアップを目指す女性たちにとって、よりリアルな指針が見えたのではないでしょうか。

参加者のみなさん同士でもこんな感想をいただきました。
「たくさんの経験を積んでおけば、よりスマートに仕事をこなせると思いました」
「漠然とした不安がありますが、与えられている仕事をこなすことで解消できそうです」
「これからは直感力も鍛えていきたいです」

パソナキャリアでは今後も継続的に勉強会・交流会を開催してまいります。ウーマンキャリアのfacebookでもご案内しますので、ぜひ「いいね!」をお願いいたします。

ご登壇いただいた野島様、木本様、遅くまでご参加いただいた皆様、ありがとうございました。